#1
『アダムの創造』(システィーナ天井画)
神とアダムが空気の薄い距離をはさんで手を伸ばし、触れる直前の瞬間をミケランジェロが凍結させています。システィーナの天井で、人間の可能性が火花を待っています。
身体と尊厳に対するルネサンスの見方を決定づけています。
#3
#4
『最後の審判』
厳しいキリストの周囲で肉体の渦が巻き、恐怖と希望がうねります。ミケランジェロは終末の裁きを、生々しい解剖学と感情で祭壇壁いっぱいに描いています。
対抗宗教改革期のスケールと迫力を象徴しています。
#6
『キリストの変容』
一枚に二つの場面が重なります。山上で光り輝くキリストと、下で少年を癒やそうともがく使徒たち。ラファエロ最後の傑作が、幻視と現実の切実さを結びます。
ラファエロ最晩年の、最も複雑な祭壇画です。
#7
#9
『聖体の論議』
天と地が聖体を中心に集います。下では聖人と学者が輝く聖櫃を見つめ、上では三位一体が金色の弧を結びます。ラファエロは神学を光と秩序の共有体験に変えています。
署名の間のプログラムを支える要石です。
#10
『リビアの巫女』
巨大な書物を持ち上げようと身をひねるリビアの巫女に、ミケランジェロの逆説が現れます。男性モデルのような筋肉が、橙とターコイズの衣の下で生きています。
身体の回転表現の最高峰の研究です。
#11
『デルフォイの巫女』
若い巫女が振り向いて耳を澄まし、唇はわずかに開き、ターバンは見えない風に揺れます。ミケランジェロは「注意」を肉体にし、言葉の直前の瞬間を色彩と石のような筋肉で止めています。
回転しながら均衡を保つ人体表現の典型です。
#12
『奇跡の大漁』(タペストリー)
キリストに導かれ、ペトロの網は魚でふくらみます。ラファエロの下絵がブリュッセルで織られ、風と水と信仰がきらめく糸になって教皇の場を飾りました。
タペストリーとしてラファエロの造形言語をヨーロッパに広めました。
#14
『フォリーニョの聖母』
雲上に浮かぶ聖母子の下で、寄進者が跪いて感謝を捧げます。遠景には燃える球体が町を襲います。ラファエロは私的な誓いを、静かな公共の信心へ整えています。
盛期ルネサンスのサクラ・コンヴェルサツィオーネの模範です。
#15
『キリストの誘惑』
一枚に三つの試練が描かれます。荒野、神殿の頂、山上で悪魔がキリストを試し、下では癒やされた癩病人が感謝を捧げます。ボッティチェッリは教義を明快で優雅な舞台にしています。
ミケランジェロ以前のシスティーナ連作を支える要の一つです。
#20
栄光の聖母子と諸聖人
温かなヴェネツィアの光の中で聖母子が上昇し、下では聖人たちが集います。ティツィアーノは色彩と視線、そして息づくような静けさで天と地を結びます。
ヴェネツィア派のコロリートが円熟した姿を示しています。
#21
『コラの罰』(コラの反逆)
ボッティチェッリは『民数記』第16章を一つの舞台に凝縮し、祭司職への反逆と大地の裂け目、香の煙を明快に描きます。ローマ風建築が、正しい権威が民を守るという静かな教訓を支えています。
ミケランジェロ以前のシスティーナ連作における重要作です。
#22
『最後の審判』
金地が燃えるように輝く中、マンドルラのキリストが裁きに戻ります。天使のラッパ、ミカエルの秤、昇る祝福と落ちる滅びが、中世末の明快さで畏れを形にしています。
中世末の『最後の審判』図像の模範作です。
#24
#25
シクストゥス 4世がバルトロメオ・プラティナをバチカン図書館長に任命する
玉座の教皇を挟んで廷臣が立ち、学者が跪いて銘文を指し示します。メロッツォの冷静な遠近と肖像表現が、バチカン図書館の物語を始動させます。
バチカン図書館の創設を象徴するイメージです。
#26
『ピエタ』
クリヴェッリの『ピエタ』は宝石の聖像のように輝き、聖母はキリストを金地に抱きます。盛上げ金彩と鋭い線が嘆きを「貴さ」へ変え、静かな祈りのために研ぎ澄まされています。
後期ゴシックと初期ルネサンスを融合した、クリヴェッリの代表的な様式です。
#27
聖ロレンツォ、トゥールーズの聖ルイ、聖ヘルクラヌス、聖コンスタンティウスと聖母子
穏やかな聖母がペルージャの聖人たちを空の下に集めます。ペルジーノの柔らかな光と均整が祈りを調和へ変え、静かなウンブリアのバランスがラファエロ初期の眼差しを育てました。
ラファエロに影響したウンブリア的調和の原型を示しています。
#28
『東方三博士の礼拝』
ヴァザーリはキリストのもとへ色と動きを押し寄せさせ、古代遺跡をぬって長身の人物が流れ込みます。マニエリスムの優雅さが信心を祝祭劇に変え、ルネサンス美術史を書いた画家自身が描きました。
ヴァザーリのマニエリスム様式を示す、バチカンでは貴重な作例です。
#29
『さくらんぼの聖母』
マリアは幼子を支え、幼子はさくらんぼを差し出します。バロッチの柔らかな色と溶ける輪郭、視線の渦が教義を家庭の温もりへ変え、感情が先に導き信仰が後に続きます。
バロック的な優しさと色彩へ向かう重要な一歩です。
#48
ハトシェプスト女王とトトメス 3世の石碑
整った石灰岩の面に王名と賛辞が記されます。ハトシェプストとトトメス 3世のカルトゥーシュが並び、浅く鋭いヒエログリフが神の加護と安定した統治を呼びかけます。
エジプト第18王朝の重要な二人の統治者を結びつけています。
#97
キージ・コレクションの素描
ペンやチョーク、淡彩による工房のシートです。素早い頭部や手、衣の研究が、ラファエロ時代の傑作の燃料になりました。
工房の習作を通して、ラファエロの設計過程を直接に見せます。