『さくらんぼの聖母』
フェデリコ・バロッチは聖なるものを家庭へ招き入れます。聖母は幼子へ身を寄せ、幼子はさくらんぼを手に差し出します。視線と手が穏やかな螺旋を作り、人物どうしを結びます。色彩は発光するようで、冷たい青に杏色や薔薇色が重なり、羽毛のような移ろいが肌を生きているように見せます。16世紀後半に描かれたこのキャンバスは、親密な信心と明るい技法におけるバロッチの才能を示し、盛期ルネサンスの静けさからバロックの感情へ向かう橋になります。さくらんぼは甘さであると同時に犠牲の暗示でもあり、日常の果実が格別の意味を運びます。
この作品が重要な理由
- バロック的な優しさと色彩へ向かう重要な一歩です。
- 家庭的な感情に根ざした信心像です。
注目すべきポイント
- 幼子の手の中のさくらんぼです。
- 顔の周りにある、呼吸するような柔らかな輪郭です。
- 手と視線を結ぶ穏やかな螺旋です。
豆知識
バロッチは光と色を計画するために、色チョークの習作を多く残しました。
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