『ピエタ』
カルロ・クリヴェッリは悲しみを文様と光へ翻訳します。死せるキリストはマリアの膝に横たわり、白っぽい身体は切れ味のある線で縁取られます。涙は真珠のように頬に浮かび、面差しは彫木のような緊張をたたえます。金地は工具で打たれ、盛上げ金彩(パスティリア)も施され、金属や宝石のように光を受けます。冷たい青と緑に、鮮明な赤が重なり、衣の襞は面取りのように折れます。15世紀後半に描かれたこの板絵は、金地伝統を保ちながらルネサンスの自然味へも近づきます。物語というより瞑想のための像で、技術の精度が感情をいっそう鋭くします。
この作品が重要な理由
- 後期ゴシックと初期ルネサンスを融合した、クリヴェッリの代表的な様式です。
- パスティリアと打刻が、信心を物理的な光として立ち上げています。
注目すべきポイント
- 光を拾う盛上げ金彩(パスティリア)です。
- 刻線で示された光背と打刻文様です。
- 涙の筋と、刃物のように鋭い輪郭です。
豆知識
クリヴェッリは盛り上げた下地と金で、絵の中に「宝石」を作ることがよくありました。
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